今回はレッスン中に「CMaj7におけるFの音はテンションなのか?」というようなご質問をいただいたので、それについてわかる範囲で記事にしてみました。言葉の定義がわかれば少しスッキリするのではないかと思います。
あくまで「杉山の理解では、、、」という御了承のもとで読み進めていただけるとありがたいです。
さらに深掘りして「エクステンションとテンションの違い」、実際のジャズの現場で使われている「テンションの意味」、そして「アベイラブルテンションやオルタードテンション」への繋がりまで、解説していますのでぜひご一読ください!
1. 「エクステンション」と「テンション」の違いとは?
「エクステンション」と「テンション」、この2つの言葉は基本的には「全く同じ音(9度、11度、13度)」を指しています。では何が違うのかというと、その言葉の「捉え方(アプローチの視点)」が異なります。
- エクステンション(Extensions:拡張音)コードの「構造的な視点」からの呼び方です。基本となる4和音(ルート、3度、5度、7度)の上に、さらに団子状に3度ずつ音を「拡張(エクステンド)」して積み重ねた9th、11th、13thの音そのものを指します。
- テンション(Tensions:緊張音)コードの「響き(音響的効果)の視点」からの呼び方です。基本のコード・トーンの上に拡張音(エクステンション)を重ねると、1オクターブを超える複雑な音程関係が生まれ、基本和音だけでは得られない「心地よい緊張感(Tense relationship)」を作り出します。
つまり、「構造上、上に拡張された音(エクステンション)」が、結果として「和声的な緊張感を生む(テンション)」ため、ジャズの理論や現場では実質的に同じものを指す同義語として扱われています。
2. 「ポッシブル・テンション」はすべての土台
基本のコード・トーン(1、3、5、7度)の上に拡張された9、11、13度の音は、美しい響きになるか、濁った響きになるかに関わらず、まずは「ポッシブル・テンション(Possible Tensions=テンションの基礎・候補)」としてすべてリストアップされます。
「拡張したものだから、広義にはすべてテンションである」という解釈は正しい(と思います)のですが、これを全部そのまま弾いてしまうと、実際の演奏では問題が起きます。
3. 和声的な選別:「アボイド」と「アベイラブル」
ポッシブル・テンションは、実際の響きによって以下の2つに分けられます。
- アボイド・ノート(使えないテンション)コード・トーンの半音上(短9度上)に位置する音。強烈にぶつかって不快な響きになるため、避けるべき音とされます。
例:Cmaj7における「11th(F音)」。3度の「E音」と半音でぶつかるためアボイドになります。
- アベイラブル・テンション(使えるテンション)すべての候補の中から、アボイド・ノートを除外したもの。コード・トーンの全音上(長9度上)に位置するため、美しく響き、実際の演奏で付加できるテンションです。
4. 現場で「テンション」と言われたら?
広義にはすべての拡張音がテンションですが、ジャズのセッションやアレンジの現場で「テンション」と言われた場合、それは「アベイラブル・テンション(使えるテンション)」を意味します。
演奏者は、特別な指示がない限り、テンションの候補の中から「アベイラブルな(使える)音」だけを頭の中で自動的に選別して弾いています。
オルタード・テンションの話
逆に言えば、「本来は使ってはいけない音(アボイド)だけど、どうしてもそのテンションを使いたい!」という場合にはどうするのでしょうか?
ここで登場するのが「オルタード・テンション(変化音)」です。 例えば、先ほど「Cmaj7の11th(F音)」。これはアボイドノートだと説明しましたが、この音を半音上げて「#11(F#音)」に変化(オルタード)させると、不協和音が解消されて「アベイラブル・テンション」に生まれ変わります。
まとめ
理論用語がたくさん出てきましたが、整理するととてもシンプルです!
- エクステンション/ポッシブル・テンション 枠組みとしての「すべての拡張音(9、11、13度)」。
- アベイラブル・テンション その中から、半音のぶつかり(アボイド)を省いて実際に音楽で使えるように選別された音。
- オルタード・テンション 基本のテンションを半音変化(♭や#)させた音(#11など)。















こんにちは!杉山です。
6月のライブ&セッションも日に日に近づいてきましたし、本当に時が経つのがあっという間すぎて恐ろしいほどです、、、。
とはいえ、せっかくの春!
暖かくなってきましたし、ここはひとつ初心に帰り、「新入生の気持ち」で改めてバリバリ頑張る決意であります!(笑)
と言いながらなんですが、実は現在、このメール記事を書く手が完全に止まっております。見事な出力スランプ状態です(汗)
ジャズピアノに関する疑問、知りたい理論、あるいはちょっとしたお悩みなど、何かありましたら遠慮なく教えてください(><)
来月5月は初日によいどれ伯爵に出演します。よろしければぜひお越しください(^^)!!
日時:2026年5月1日(金)
場所:よいどれ伯爵(関内)
時間:開演19:30
出演:池田聖子(vo) 杉山貴彦(p) 上田基(b) 林伸一郎(d)