教則本「メジャー・スケールから始めるやさしいジャズ・アドリブの弾き方」 杉山貴彦 (著)

すぎやま

 「アドリブで演奏できるようになりたい!!」「ジャズのアドリブやりたい!!」と思っている方に真っ先にお勧めしたいのが拙著“メジャー・スケールから始めるやさしいジャズ・アドリブの弾き方”です!

 「アドリブは才能がなければできない」と思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、本書を読んで実践してみれば、練習さえすれば誰でもできるようになる!ということを実感していただけると思います。

 実際に私のところに来てくださっているほとんどの生徒様は、この方法でアドリブ演奏を楽しんでくださっています(好みや向き不向きもありますので、他の方法をとる方もいらっしゃいます)。

 もちろん、何よりも生徒様がちゃんと練習してくださっているからこそ、アドリブができるようになるわけですが、「そもそも何を練習すればいいのか分からない!」というのがアドリブ初心者の一番の悩みだったりするわけです。

 そこで本書では、理論的な内容は最小限に、シンプルな課題をこなしていくだけでアドリブができるようになるようガイドしました。アドリブ(自由な演奏)と言っておきながらも、窮屈に感じるくらい具体的に練習内容を提示しています。あとは実践あるのみ。アドリブ演奏はもちろん、アドリブ練習の楽しさも実感していただけると思います!!

すぎやま

 この教則本ではアドリブ演奏に欠かせない基礎、リズム」「スケール」「コードトーン」「クロマチックなどを、セクションごとに習得します。

 各章にはまとめとして、それぞれの章で学習した内容を使ったスタンダードでのアドリブ譜例「ジャズ・スタンダードでアドリブの練習をしよう!」が掲載されています。

 練習に取り掛かる前に、一度、その楽譜を弾いて全体を俯瞰してみると、それぞれの練習がどんなアプローチにつながるのかイメージしやすくなるかもしれません。

 特に第2章までのスケールだけを使ったアドリブは、本書前半のメインですので、ぜひ初めに譜例を弾いてみることをお勧めします。

下記リンク先(関連記事)は本書の内容をさらに活かして頂くためのページです。
当教本をご購入くださった方はぜひこちらをご活用ください!

各セクションのご紹介

第1章 スケール+リズムでアドリブの基本をPLAY!

すぎやま

この章のメインはリズム。いかにリズムを意識して(コントロールして)スケールを弾けるようになるかがポイントです。アドリブの要素は少ないので、基礎練習だと思って取り組んでみてください。

具体的には”基本のリズムパターン20”や”ジャズらしいアプローチが身に付くリズムパターン13”、また、それらの組み合わせなど、様々なリズムの上でスケールを弾けるように練習していきます。

ジャズ・スタンダードでアドリブの練習をしよう!「枯葉」

第2章 様々なスケールの動きでアドリブを彩る

この章のメインはスケール。スケール上を彩るためのテクニックを項目ごとに習得していきます。

単調に聞こえていた音楽がイキイキと動き出すので、自分の演奏に取り入れるのを楽しんでいただけるセクションだと思います。

ジャズ・スタンダードでアドリブの練習をしよう!「Mack the Knife (Moritat)」

第3章 コードを意識しながらアドリブしよう

すぎやま

この章のメインはコード。第2章で習得したスケールに基づくソロの中にコードトーンを入れていきます。

どのようにコードトーンを織り交ぜていけばいいのか、パターン化して習得していきます。

ジャズ・スタンダードでアドリブの練習をしよう!「I want to be happy」

第4章 オシャレ&カッコよくなるクロマチック・アプローチ

すぎやま

この章のメインはクロマチック。スケール上にない音を鳴らすことができるので、グッとジャズらしさの増すセクションです。

ジャズ・スタンダードでアドリブの練習をしよう!「Beautiful Love」

第5章 よりジャズらしいアプローチのために

すぎやま

「リズム」「スケール」「コード」「クロマチック」の基本を身につけたら、さらにジャズらしさの増すアプローチを身につけていきましょう!

具体的にはメジャースケールの枠内にない「新たなスケール」や「ガイドトーンラインを使ったアドリブ」などです。

第6章 ジャズ・スタンダードでアドリブしよう

すぎやま

この章では第5章まで学習した内容のまとめとして、実際のジャズ・スタンダードでアドリブ演奏にトライしてみます!

アドリブ例もしっかり2コーラス分ありますので、譜例を参考にしながら、ご自身でのアドリブにも繰り返し挑戦してみてください。

「クレオパトラの夢」

「Fly me to the moon」

「いつか王子様が」

「朝日のようにさわやかに」

「Just Friends」

はじめに(本書より掲載)

 「アドリブで演奏できるようになりたい!」これは楽器を演奏する多くの方がもつ憧れではないでしょうか。かくいう私も、そんな憧れでジャズピアノを始めた1人。即興演奏ができるようになるために何をすればいいのか、はじめは試行錯誤を繰り返しました。

 アドリブの入り方は人それぞれ。練習内容は向き不向き、そして好みもあります。そんな中、本書では、レッスンを通して、実際にスムーズにアドリブ演奏へ進めた方の多かった方法を、系統だてて書かせていただきました。

 第1章では、「2オクターブのスケールを上がり下がりするだけ(!)」という決まった音使いの中で、リズムを自由に弾くためのエクササイズを行います。「スケールを使って自由に弾いてみましょう!」と言われても困ってしまう方が多いと思いますが、使う音は決まっていて、リズムだけ自由。これならできそうな気がしませんか?

 第2章からは、その「自由なリズムで弾くスケール」の中に、スケール(発展)、コード、クロマチックといった要素を加えていき、よりジャズらしいアドリブに近づけていきます。

 エクササイズの多くはアドリブにおける基礎文法が身につくように、そしてそれらをゲーム感覚で習得できるように、型をこちらが指定しています。ですので、答えが一つになるものや、似たような答えになるものが多いと思います。初めは窮屈に感じるかもしれませんが、繰り返していく中でパターンや音使いの理解が深まり、その先に広がる可能性が見えてくることでしょう。

 本書を手に取ってくださった方には、まず何よりも先に「アドリブって楽しい!」という体験をしていただきたいと思っています(楽しいと感じていただけた瞬間は最高の喜びの一つです)。体や指がスムーズについてくるようになるには、日数も必要です。一眠りしたらできるようになっていた、なんてこともよく起こりますので、難しいと感じたところはほどほどに、焦らず楽しんで取り組んでいきましょう!

 いつか「この本を読んでアドリブができるようになりました!」という方に出会うことができたならば、著者としてこれほどの喜びはありません。本書をきっかけにジャズ・アドリブ演奏を楽しんでくださる方が1人でも多く生まれることを心から願っています!

杉山貴彦

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すぎやま

こちらはメール配信でお送りした本書籍に関する内容の簡単な解説です。

今日は本の内容からご紹介させてください!

本書は第6章までありますが、最初の山は第2章までに書いてある
「一つのメジャースケールのみ」を使ったアドリブ演奏です。

(ジャズらしい難しめな音使いなどは一旦置いといて、、、僕のおすすめはまず
「一つのスケールだけで変化をつけて弾けるようにすること」です。)

2章までのエクササイズをある程度こなし、
こんな感じのソロを弾けるようにするのが第一目標になっています。
(このメール配信用に改めて書いてみました。)

動画内の譜面を見ていただければ臨時記号がまったくついていないので、
本当にスケールを動いているだけだな、というのが分かっていただけると思います。

もちろん、ここまではまだ雰囲気ジャズみたいな感じですが(笑)、
これができるようになればもうアドリブできるようになったも同然!

あとは

第3章 コードトーン
第4章 クロマチックアプローチ
第5章 その他のスケール

といった使えるツールたちを、どんどん追加していくだけです。

アドリブはまだやったことない、という方も、
良かったらスケールを使ったアドリブに挑戦してみてください!!!